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問い合わせが来た後の1時間。取りこぼしを止める段取り

問い合わせが少ない、と感じている。でも、今来ている問い合わせに何時間で返信しているかは、すぐに答えられない。そんな状態になっていませんか。

集客を増やす話より地味ですが、順番としてはこちらが先だと僕は考えています。理由を書いていきます。

結論から言うと、返信の遅れや漏れがあるなら、僕は広告を増やす前に「届いた直後の一次返信」を仕組みにすることを勧めます。通知をスマホに届ける、一次返信の文面を用意する、自動返信を書き換える。この3つは、広告を増やす前にできます。

「問い合わせが来ない」の前に、来た分が消えていないか

現場に出ていて、夕方事務所に戻る。ほかの対応をしているうちに日が変わって、返信は翌日になる。中小企業なら、誰に悪気がなくても起きることです。

ただ、問い合わせた側から見える景色は違います。送った人は、返事を待っています。しかも、あなたの会社にだけ送っているとは限りません。

広告費をかけて、サイトを直して、やっと届いた1件。それが返信の遅さで消えているとしたら、集客をがんばる前に直すところがあるということです。

問い合わせた人は、何時間で返信が来ると思っているか

少し前の調査ですが、PR TIMESが運営するTayoriが2022年12月に、問い合わせ経験のある20〜59歳のビジネスパーソン1万2000人に聞いた調査があります。問い合わせ後の返信を何時間以内と想定しているかという質問に、「1時間以内」が51%、「24時間以内」までで82%でした。半分の人が、1時間以内の返信を想定していたことになります。

同じTayoriの2026年の調査(2026年2月実施・問い合わせ経験のある20〜59歳のビジネスパーソン1万400人)では、問い合わせ窓口の担当者に最も期待することの1位が「迅速さ」で36.4%でした。前年より割合はわずかに下がったものの、いまも1位です。

もうひとつ、見ておきたい数字があります。2025年の同じ調査では、問い合わせを検討したのに実際はしなかった経験がある人が43.7%いました。理由には「営業時間外だったので後回しにした」「返信までの時間や待ち時間を見て、長すぎると諦めた」が挙がっています。

どの調査もカスタマーサポート全般が対象なので、地方の工務店や整骨院の話そのものではありません。それでも、問い合わせる側の感覚としては参考になります。何時間たったら別の会社を探し始めるかまでは、ここで引用した調査結果からはわかりません。それでも、半分の人が1時間以内を想定していたという数字は、頭に置いておきたいところです。

問い合わせ件数と、話ができた件数を分けて見る

ここが、見落とされやすいところです。

仮に、広告費20万円で10件の問い合わせが来たとします。1件あたり2万円です。返信が遅れてほかの会社に決まっても、その広告費はもう使ったお金です。

10件届いて、返信の遅れで半分を逃したとしましょう。実際に話ができた1件あたりで見ると、4万円払っているのと同じです。

しかも、フォームの送信だけを成果として数えていて、その後の商談や成約を広告側に返していないなら、管理画面で見えるのは送信の件数までです。数字の上では順調に見えても、返信の遅れで逃した分はそこからはわかりません。

返信の流れに課題が残ったまま問い合わせを増やすと、対応しきれない分も増えかねません。広告を増やす前に返信の流れを見直したほうがいい、と僕が考えているのはこのためです。

営業の専門職でも、初動は簡単ではない

少し安心してほしいデータもあります。返信の速さは、営業を専門にしている人たちにとっても簡単ではないようです。

immedioがインサイドセールス(電話やメールで見込み客に連絡する営業)の担当者149名に聞いた「インサイドセールス白書2023」(2023年1〜2月実施)があります。見込み客の情報が入ってから最初にアプローチするまでの平均時間を本人に聞いたところ、5分以内は全体の20%。約半数は1時間以上と答えていました。

タイムリーに折り返せない理由として挙がっていたのは「日中は業務が多忙」「見込み客の情報が不足している」でした。気持ちだけでは解決しにくい理由ですよね。

僕なら、まず今使っているメールやフォームの通知・返信の設定で変えられるところを確かめます。そこから手を付けられることも多いはずです。

気合いより、返信の段取りを決めておく

「速く返そう」と気合いを入れるより、通知や担当者、返信の目安を先に決めておくことを僕は勧めます。始めるなら、この3つからです。

1つめ。通知がスマホに届くようにする。問い合わせメールが事務所のパソコンにしか届いていないと、現場に出ている日は気づくのが遅れがちです。まず、自分のスマホで受け取れる状態にしてください。

2つめ。一次返信の文面を1本だけ作っておく。見積もりや詳しい回答は後でかまいません。「受け取りました。◯日までに詳しくご連絡します」とだけ先に返す。詳しい回答に時間がかかるときも、受け取ったことと、次に連絡する目安だけは先に伝えられます。

3つめ。自動返信の中身を書き換える。フォームの自動返信が「送信ありがとうございました」だけになっていませんか。「通常1営業日以内にご連絡します」のように自社で守れる目安と、「お急ぎの場合はお電話ください」を入れておくと、返信の目安と急ぎの連絡先を相手に伝えられます。営業時間と定休日も書いておくと親切です。

まずは、今ある道具の設定でどこまでできるかを確かめてみてください。

たとえば、鹿児島市内の外壁塗装会社なら

進め方のイメージを、架空の例で説明します。実際の会社や数字ではなく、手順の例として読んでください。

お客さんが「鹿児島市 外壁塗装」で検索して、上から2〜3社に同じ内容の問い合わせを送ったとします。この会社は、届いてすぐの一次返信で受け取ったことを伝え、現地調査の候補日もあわせて出します。お客さんと日程の相談を早く始めるためです。

この会社がやる順番は、まず通知をスマホに届ける。次に一次返信の文面を作る。そして自動返信を書き換える。ここまでやってから、広告費を上げるかどうかを考えます。順番が逆だと、増えた問い合わせを同じように取りこぼしかねません。

それと、月に一度でいいので数えてみてください。「今月、自社で決めた返信の目安を超えた問い合わせは何件あったか」。その後の相談がどうなったかも一緒に見ると、どこで止まりやすいかが見えてきます。

まとめ

集客の話になると、広告やSNS、検索順位といった入口の話に目が向きがちです。でも僕は、入口を広げる前に、届いた問い合わせへの対応を確かめることを勧めます。

Tayoriの2026年の調査では、満足度の高い対応を受けた人の29.5%が「利用頻度が上がった」と答えています。一方で、不満が残る対応を受けた人の68.2%は、利用をやめたり頻度が下がったりしていました。これは対応全体の満足・不満についての数字で、返信の速さだけの話ではありません。それでも、対応の良し悪しが次につながるかどうかに関わることは読み取れます。

まず1つだけ試してほしいのは、問い合わせの通知をスマホで受け取れる状態にすることです。

広告を出しているのに手応えがない。問い合わせは来るのに、成約につながらない。そういう状態なら、サイトを直す前に、問い合わせから返信までの流れを一緒に見せてください。どこで落ちていそうか、一緒に確かめます。

ここも気になるかも

フォームに営業メールばかり来て、本物の問い合わせが埋もれます

営業メールを完全にゼロにするのは難しいです。使っているフォームとメールが対応していれば、フォームに「ご相談内容」の選択項目を足して、その内容でメールを振り分ける方法を試せます。ただ、振り分けは完璧ではないので、振り分け先とそれ以外のフォルダの両方を確認してください。

電話とフォーム、どちらを目立たせるべきですか?

業種と、受けられる体制によります。電話に出られる体制があって、水漏れや鍵のような急ぎの相談が多いなら、電話を上に置く方法があります。金額の相談や比較が中心なら、フォームやLINEも候補です。どちらか一方に絞る必要はありません。スマホで見たとき、両方が押しやすい位置にあるかを確認してみてください。

返信が遅れてしまった問い合わせに、今から連絡しても迷惑でしょうか?

相手から断りの連絡が来ていないなら、連絡したほうがいいと僕は考えています。もうほかの会社に決まっているかもしれませんが、まだ決まっていない可能性もあります。僕なら、遅れた言い訳を長く書かずに、一言お詫びしてから本題に入ります。

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