目の前のお客さんに説明している途中で電話が鳴る。取れば接客が止まり、取らなければ用件がわからない。スタッフが少ない店や事務所では、この二択を変えたい場面がありますよね。
結論から言うと、AIには最初の用件受付を任せ、人が対応する電話と折り返す電話を分ける方法があります。サービス選びより先に、任せる用件と、その後に誰が動くかを決めておきます。
「AIが出る」と「仕事が終わる」は別
営業時間を案内するだけなら、その場で終えられる用件があります。一方、予約の希望日時を受け付けても、空き枠の確認が済んでいなければ予約確定ではありません。受付と完了を分けて考えてください。
例えば、営業時間の質問は自動案内、予約希望は内容を記録して担当者が確認、個別の相談は人へ転送する。こうした振り分け案を、まず紙に書いてみます。実際にできることは、サービスと契約プランで変わります。
電話の用件を1週間記録すると、最初に試す範囲を決めやすくなります。「何件鳴ったか」に加えて、案内だけで済んだか、折り返しが必要だったかも残してみてください。
千房の事例は、振り分けを考える材料になる
電話自動応答サービスIVRyの公式導入事例には、お好み焼の千房の取り組みが載っています。掲載事例では、電話対応の約8割を自動化し、24時間予約を受け付ける体制を紹介しています。
現場の担当者は、用件ごとに案内先や人につなぐ流れを設計したと話しています。この数字は提供元に掲載された個別事例の成果です。小さな店に同じ割合の自動化を約束する数字ではありません。
自社で参考にするなら、自動化率の高さより「どの用件を、どこで人に戻すか」に目を向けてください。受付を自動化できても、その後の対応が遅れれば、お客さんの待ち時間は残ります。
料金は、転送するかどうかで条件が変わる
2026年10月5日に確認したIVRyの公式料金では、スターターは月払いで月額3,980円から、スタンダードは6,480円からです。いずれも税抜。基本料金のほかに、電話番号維持費と従量利用料金がかかります。
ここで見落としたくないのが電話転送です。スターターは一次受付後に人が折り返す使い方で、電話発信・転送は利用できません。人へそのままつなぐ運用なら、スタンダード以上の条件を確認する必要があります。
無料プランは30着電までですが、電話発信・転送は含まれません。無料で操作を試せることと、本番で必要な運用を無料で回せることは分けて考えましょう。申し込む前に、最新料金と想定着電数で見積もりを確認してください。
今の電話番号を使う場合も、契約している回線の転送条件や費用の確認が必要です。番号を変えずに使えるか、電話会社とサービス提供元の両方に確かめておくと、導入直前の食い違いを避けられます。
自動化する前に、人へ戻す道を作る
聞き取りがうまくいかない、説明が複雑、急ぎで人と話したい。そういう電話をどう扱うか決めてください。人へつなぐ方法や、別の連絡手段を案内する流れを用意します。
AIが「緊急」と判断したら知らせる、だけに頼らないことです。緊急の用件が来る業種なら、最初の案内から人の窓口へ進めるようにし、実際につながるか試します。専門的な判断まで一次受付に任せない線引きも必要です。
録音や文字起こしを使う場合は、保存期間、閲覧できる担当者、利用目的を確認します。用件を集めるほど、管理する情報も増えます。便利な通知機能だけを見て決めないでください。
本番前は、お客さん役で電話してみる
通常の質問、聞き取りにくい話し方、予定変更、人と話したいという希望。想定する用件で実際にかけて、案内の長さと、その後の通知を確認します。聞き間違えたときに訂正できるかも見てください。
折り返しが必要な用件には、担当者と確認する時刻を決めます。営業時間外の受付なら、翌営業日に誰が一覧を見て、対応済みを記録するのかまでそろえましょう。
最初は対象の時間帯や用件を絞って試す方法があります。自動受付の件数だけでなく、途中で切れた電話、折り返し漏れ、人が対応した時間を見て、続ける範囲を調整してください。
まとめ
電話のAI化は、受話器を人からAIへ渡すだけでは終わりません。案内で完了する用件、人へつなぐ用件、折り返す用件を分け、その後の担当を決める。そこまで作って初めて、接客との分担を試せます。
接客中の電話を減らしたいけれど、どこまで任せていいかわからない。そんなときは、電話の用件と今の受付方法を僕に聞かせてください。自動化する範囲と、残す対応から一緒に整理します。
ここも気になるかも
全部の電話をAIに任せる必要がありますか?
ありません。営業時間の案内や不在時の用件受付など、範囲を絞って試せます。専門的な相談や急ぎの連絡をどう人につなぐかは、先に決めておきましょう。
予約希望を受け付けたら、予約確定ですか?
運用によります。予約台帳との連携がないなら、人の確認後に確定する流れが必要です。自動案内でも、受付だけなのか確定なのかをお客さんへ明確に伝えてください。
導入後は、何を見て判断すればいいですか?
人が対応した時間と、用件の取りこぼしを一緒に見ます。自動受付が増えても、折り返し漏れが増えたら改善が必要です。お客さんが人につながるまでの負担も確かめてください。