GA4もサーチコンソールも、入れてはある。でも月末に開いてみると、数字がずらっと並んでいて、どこを見ればいいのかわからない。そのまま閉じて、また1か月。こういう状態、けっこうあると思います。
数字が苦手だから、とあきらめる必要はありません。まずは、見る場所を先に決めるところから始めてみてください。
僕の提案は、問い合わせや予約を受けるタイプの会社なら、最初は月に1回、3つの数字から確認を始めることです。GA4ではサイトへの訪問(セッション)と、問い合わせ完了などの行動(キーイベント)。サーチコンソールではGoogle検索からのクリック数。ただし、数字が増えた・減ったで成果を決めつけないでください。計測の設定が正しいか、実際に受け付けた件数と合っているかを確かめて、動いたところを調べる。数字は答えではなく、次に調べる場所を教えてくれるものです。
よくある誤解——「全部見ないと意味がない」
GA4を開くと、ユーザー、セッション、エンゲージメント率、平均エンゲージメント時間……と、指標がいくつも出てきます。どれも大事そうに見えますよね。
でも、最初から全部を追おうとすると、結局どれも見なくなります。毎日すべてを見る必要もありません。
もう1つの誤解が、「数字さえ見ていれば、何が効いたかわかる」というものです。実際は、数字が動いた理由は1つとは限りません。季節、休業、広告費の増減、サイトの変更。いろいろなことが同時に起きています。だから数字は、答えではなく「どこを調べるか」の目印として使うのがちょうどいいんです。
じゃあ本当は、何を見ればいいのか
見るのは3つです。それぞれ、何を数えているのかだけ押さえておきます。
1つ目は、GA4の「セッション」。一定の時間内に行われた、サイトでの一連の操作のまとまりです。初期設定では、30分操作がないと区切られます。人数とは違うので、同じ人が時間をあけて2回来れば2回と数えます。まずは「訪問の回数」の目安として見てください。
2つ目は、GA4の「キーイベント」。問い合わせの送信完了や予約完了など、会社にとって大事な行動として指定したものの回数です。GA4では、以前「コンバージョン」と呼ばれていたものが、この名前に変わっています。Google広告でいう「コンバージョン」とは数え方や集計の基準が違うので、同じ数字として混ぜないようにしてください。
3つ目は、サーチコンソールの「クリック数」。Google検索の結果から、自社のサイトがクリックされた回数です。InstagramやチラシのQRコードから来た訪問は、ここには入りません。
ホームページは、お店でいえば店構えみたいなものです。広告やSNS、検索は、人を連れてくる役割。この3つの数字を並べると、「人は来ているか」「来た人が動いてくれているか」「検索から見つけてもらえているか」が一度に見えます。
見る前に確かめておきたいこと——キーイベントは何を数えているか
ここ、けっこう見落とされがちです。
問い合わせ完了をキーイベントとして数えるには、送信が終わったときに記録が残る設定と、それをキーイベントに指定する設定の両方が必要です。すでに記録されている行動なら管理画面から指定できますが、電話ボタンや外部の予約サービスは、追加の設定がいる場合もあります。
設定したら、担当者に実際に送信や予約を試してもらってください。1回の送信で1件だけ記録されるかを確かめます。キーイベントに指定した日より前のデータが、あとから数え直されることもありません。
もう1つ、キーイベントの数え方には「行動ごとに1回」と「訪問(セッション)ごとに1回」の2種類があります。同じ訪問の中で2回送信されたとき、前者なら2件、後者なら1件。どちらの設定になっているかも、メモしておいてください。
それと、電話番号のタップは「電話をかけようとした回数」です。通話がつながった数でも、予約が取れた数でもない。僕なら、電話タップと予約完了は分けて見ます。実際に受け付けた問い合わせの件数は、受付の記録でも数えておいてください。画面の数字と受付記録が大きくずれていたら、まず計測を疑います。
GA4で見る場所——「トラフィック獲得」の2つの列
パソコンでGA4を開き、左のメニューから「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」と進みます。訪問者がどこから来たかをまとめた画面です。
メニューの並びが違う場合は、「ビジネス目標」の中の「見込み顧客の発掘」を探してみてください。それでも見つからなければ、設定した人にレポートの追加を頼めば出せます。
右上の日付で、先月の1日から末日までを指定します。「比較」をオンにしたら、比べる期間の開始日と終了日も確かめてください。「前の期間」は日数をそろえた期間なので、前月まるごととずれることがあります。
表の一番上の合計行で、「セッション」と「キーイベント」を見ます。キーイベントの列は、問い合わせ完了など見たい行動に絞り込めます。複数の行動を設定しているなら、種類ごとに分けて記録してください。
サーチコンソールで見る場所——「検索結果」の合計クリック数
サーチコンソールを開いて、「検索パフォーマンス」の「検索結果」を選びます。検索タイプは「ウェブ」にそろえて、期間で先月を指定。「比較」で前の月を選びます。
見るのは「合計クリック数」です。検索キーワードやページの絞り込みが残っていないかも、毎回確かめてください。条件がずれると、比べる意味がなくなります。
その下に出てくる「平均掲載順位」は、サイト全体だと、いろいろな検索キーワードが混ざった数字になります。意味がないわけではありませんが、最初は気にしなくて大丈夫です。順位を見るなら、キーワードやページ、スマホかパソコンかといった条件をそろえてから見てください。
具体的な例で説明すると
たとえば、鹿児島市内で予約制の整体院をやっているとします。先月からInstagramの投稿を増やしました。
月が明けて数日たってから、3つの数字を確認します。セッションは増えていた。でも、予約完了のキーイベントはほとんど変わっていない。
ここで「Instagramは効かない」と決めるのは早いです。まず、予約フォームがちゃんと動いているか、予約完了が正しく記録されているかを確かめます。問題がなければ、増えた訪問がどこから来たのか、最初にどのページを見ているのかを見ます。
見てみると、増えたのはInstagramからの訪問で、みんなトップページだけ見て帰っているかもしれません。だとしたら、料金や予約の方法が見つけにくいのかもしれない。スマホで自分でも予約を試して、途中で迷うところがないかを確かめます。
逆に、検索からのクリックが減っていたら、減ったページと検索キーワードを探して、前の年の同じ月とも比べてみてください。季節で需要が変わる業種なら、前月と比べるだけでは判断を誤ります。
数字を見る目的は、正解を出すことではありません。どこがずれているかに、早く気づくことです。
今日からできること
まず1つだけ。先月の3つの数字を、メモに書き出してみてください。セッション、キーイベント、クリック数。そして、同じ月に実際に受け付けた問い合わせや予約の件数も並べます。
キーイベントが0件なのに、実際には問い合わせがあった。そうなっていたら、まず計測の設定を見直すところからです。
確認するのは、月が明けて数日たってからにしてください。GA4はデータの反映に24〜48時間かかることがあり、サーチコンソールも直近の数字は確定前の値の場合があります。月末ぴったりに見ると、最後の1〜2日分の数字が固まっていないことがあるんです。
記録するのは、期間、3つの数字、実際の受付件数、その月にやったこと。これを毎月1行ずつ足していくだけで、半年後には自分の会社だけの判断材料になります。
ただ、正直に言うと、つまずきやすいのが、最初のキーイベントの設定です。フォームの仕組みや予約サービスによっては、専門的な作業が必要になります。ここだけ詳しい人に頼んで、毎月見るのは自分でやる。そういう分け方もありです。
まとめ
GA4もサーチコンソールも、全部を使いこなす必要はありません。訪問、大事な行動、検索からのクリック。この3つを月に1回見て、実際の受付件数と照らし合わせる。まずはそこからです。
管理画面を開いても、どこを見ればいいかわからない。キーイベントがちゃんと数えられているのかも不安。そんな状態なら、今のGA4とサーチコンソールの画面を見せてください。何を見て、次に何を確かめるか、一緒に整理します。
ここも気になるかも
GA4とサーチコンソールは連携させたほうがいいですか?
それぞれの画面で数字を見るだけなら、連携は必須ではありません。連携すると、GA4の中で検索キーワードの集計や、検索から入ったページごとの数字が見られるようになります。ただし、「このキーワードで来た人がこう動いた」と、1人ずつの行動まで結びつけられるわけではありません。
サーチコンソールのクリック数とGA4のセッションが合わないのですが?
合わなくて大丈夫です。数えているものが違うからです。GA4側の計測の設定や、訪問者が計測に同意したかどうか、集計の時間のずれなども影響します。ただ、差が急に広がったときは、期間や設定の変更がなかったか確かめてください。
キーイベントが0件なら、問い合わせも0件ですか?
そうとは限りません。設定していない、または計測がうまく動いていない可能性があります。まず受付の記録と照らし合わせて、設定した人に動作の確認を頼んでください。
問い合わせの内容をGA4で見ることはできますか?
GA4は、問い合わせの中身を見るための道具ではありません。むしろ送らないようにしてください。ふつうのアクセス計測では、名前やメールアドレスのような個人を特定できる情報を、ページのアドレスや計測データに含めて送ってはいけないルールがあります。フォームの入力内容やページのアドレスに、個人情報が混ざっていないかも確認しておきます。GA4を使うなら、プライバシーポリシーでその旨を説明しておくことも利用規約で求められています。
GA4は無料で使えますか?
標準版は無料で使えます。ただ、設定や運用を外部に頼む場合の費用は別です。無料だから設定しなくていい、という意味でもないので、そこは分けて考えてください。