Googleマップで「ラーメン」と検索した人の73%が、そのまま実際の店に足を運ぶ。トライハッチ社の調査で出たこの数字を見て、僕は「ここを押さえない飲食店はもったいない」と感じました。今回は、Googleマップの活用だけで売上を月50万円伸ばしたラーメン屋の事例を紹介します。
「隠れ家」だったラーメン屋に何が起きたか
あるラーメン屋は、駅から少し離れた路地裏にありました。味には自信がある。常連もいる。でも新規のお客さんが来ない。コロナ禍で常連の足も遠のいて、売上はじわじわと下がっていました。
転機は、Googleビジネスプロフィール(以下GBP)を本気で整備し始めたこと。結果、前々月比で売上が約50万円アップ。毎日早い時間にスープが売り切れるようになったそうです。
特別なことをしたわけじゃありません。やったのは「Googleマップ上で、自分の店を正しく魅力的に見せる」という、地味だけど確実な作業でした。
Googleマップ経由の来店率は、想像以上に高い
飲食店選びの入り口が変わってきています。以前はグルメサイトが主流でしたが、今はGoogleマップで直接探す人が急増しました。アプリの利用者は国内で約6,000万人。1秒あたり20人がGoogleマップで何かを検索している計算になります。
トライハッチ社の2024年調査では、Googleマップで飲食店を検索したユーザーの73%が実際に来店。ルート検索とWebサイト閲覧の両方をしたユーザーに限ると、来店率は85%に跳ね上がります。
つまり「Googleマップで見つけてもらう=ほぼ来店につながる」と考えていい。特にラーメン屋のように「今すぐ近くで食べたい」という検索が多い業種は、この恩恵を受けやすいです。
まずやるべきは「GBPの基本情報」の整備
GBP(Googleビジネスプロフィール=Googleマップに表示される店舗情報)の最適化は、MEO対策(Map Engine Optimization=地図検索で上位表示を狙う施策)の基本中の基本です。
具体的にやることはシンプルで、店名・住所・電話番号・営業時間を正確に入力する。これだけ?と思うかもしれませんが、ここが抜けている店が本当に多いんです。
ポイントは「NAP情報の統一」です。NAPとは店名(Name)、住所(Address)、電話番号(Phone)の頭文字で、GBP・自社サイト・食べログ・Instagramなど、すべての媒体でこの3つを完全に一致させます。「丁目」を使うか「-(ハイフン)」を使うか、そのレベルで揃える。Googleはこの一致度を見て「同じ店だ」と認識し、信頼度を上げる仕組みになっています。
写真の「質と量」で来店率が変わる
GBPに登録する写真は、集客に直結する要素です。ニュートラルワークス社の調査では、情報が不十分な店舗に対して約2割のユーザーが「来店をやめる」と回答しています。写真がない・古い・暗いというだけで、お客さんは離れていきます。
成功したラーメン屋がやったのは、Instagramと連動した写真戦略です。スマホで撮った「映える」ラーメンの写真を定期的にGBPとInstagramの両方にアップしました。湯気が立つどんぶり、チャーシューの断面、カウンターに座った目線からの一枚。こうした写真がGoogleマップの検索結果に並ぶことで、表示回数は累計200万回を超えたそうです。
ここで面白いのが、この店は途中でラーメンの単価を850円から1,180円に値上げしていること。通常なら客足が落ちてもおかしくありません。でも「この写真のラーメンを食べたい」というモチベーションで来るお客さんが多いため、集客は落ちなかった。写真で「値段以上の価値がありそうだ」と伝わっていた証拠だと思います。
口コミは「数」と「鮮度」がものを言う
BrightLocalの調査によると、消費者の98%がローカルビジネスを選ぶ際にオンラインレビューを参考にしています。Googleの口コミを信頼するユーザーは78%で、食べログなど専門サイトを上回る数字です。
先ほどのラーメン屋は約1,500件の口コミを獲得しました。ここまで多いと「みんなが行ってる店」という安心感が生まれます。ただ、口コミには「賞味期限」があります。3ヶ月間口コミが途絶えると検索順位が下がり始めるという報告もあり、継続して口コミをもらう仕組みが必要です。
興味深いのは、評価が5.0の店より4.9の店のほうが来店率が高いというデータです。完璧すぎると「サクラじゃないか」と疑われる。たまにある辛口レビューは、むしろ信頼性を上げてくれる存在です。
口コミへの「返信」が差をつける
口コミをもらったら、必ず返信する。これだけで来店率が上がるというデータがあります。理由は2つ。1つは、返信がある店を見たユーザーが「ちゃんとした店だ」と感じること。もう1つは、Google側が「このオーナーはプロフィールを積極的に管理している」と判断して、検索順位を優遇する可能性があることです。
返信は凝らなくて大丈夫です。「ありがとうございます。また来てください」だけでも十分。ネガティブな口コミにも冷静に対応してください。「ご指摘ありがとうございます。〇〇については改善いたしました」と具体的に返すと、それを読んだ別のユーザーの印象もよくなります。
僕のクライアントでも、口コミ返信を始めてから問い合わせが増えた店舗は実際にあります。逆に、口コミ獲得を止めた途端にクリック率が下がって、順位も落ちたケースも見てきました。口コミ対策は「一度やって終わり」ではなく、日々の運用として続けるものです。
グルメサイトに毎月お金を払う前に考えること
大手グルメサイトの掲載料は、月額数万円から数十万円。ラーメン屋の利益率を考えると、これはかなりの負担になります。一方、GBPの登録と運用は無料です。
もちろんグルメサイトには「指名検索」に強いというメリットがあります。でも「近くのラーメン屋」と検索する人、つまり店名を知らない新規客を取りにいくなら、Googleマップのほうが圧倒的に接点が多い。
月の掲載料をゼロにして、その分をラーメンの原材料に回した結果、商品力が上がってさらに口コミが増える。こういう好循環を実際に作れている店があります。全部のグルメサイトを辞めろとは言いませんが、「本当にその掲載料に見合った来店があるか」は一度見直す価値がありますよね。
明日からできる3つのこと
最後に、今日この記事を読んだラーメン屋のオーナーさんが明日からやれることを3つだけ挙げます。
1つ目は、GBPの営業時間とメニュー情報が最新かどうかの確認。年末年始の変更がそのままになっている店を何度も見てきました。2つ目は、スマホでラーメンの写真を3枚撮ってGBPにアップすること。自然光で撮ると美味しそうに見えます。3つ目は、直近の口コミ5件に返信すること。5分もかかりません。
この3つをやるだけで、Googleマップ上での見え方はだいぶ変わります。広告費はゼロ。必要なのはスマホと15分の時間だけです。
RELATED DESIGNでは、GBPの初期設定から口コミ対策の仕組みづくりまで、飲食店の「Googleマップ集客」をサポートしています。「何から手をつければいいかわからない」という方は、気軽に相談してください。