「自由診療を始めたけど、全然予約が入らない」——皮膚科の先生からこの相談をもらうことが増えました。保険診療だけなら立地と口コミでなんとかなっても、シミ取りやレーザー治療のような自由診療は待っているだけでは患者さんが来ない。そこで今回は、LP(ランディングページ)とリスティング広告を使って初診予約を増やした皮膚科クリニックの事例を紹介します。
皮膚科の集客、保険診療と自由診療で話が全然違う
まず前提として、皮膚科には2つの集客パターンがあります。保険診療と自由診療。この2つは、やるべきことがまったく違います。
保険診療の場合、患者さんは「皮膚科 近く」「皮膚科 ○○駅」で検索して、Googleマップに出てくるクリニックの中から選ぶ。立地がよくて、口コミが悪くなければ、そこまで困らないケースが多い。GBP(Googleビジネスプロフィール)をしっかり整えておくだけで十分な場合もあります。
一方、自由診療は違います。「シミ取り レーザー 料金」「美容皮膚科 ボトックス」のように、患者さんは施術名で検索する。しかも比較検討する。料金、症例写真、口コミ、クリニックの雰囲気——いろんな情報を見たうえで、ようやく予約ボタンを押す。この「比較される前提」で動かないと、自由診療の集患はうまくいかないんです。
じゃあどうやって「比較されても選ばれる」状態を作るか。そこで出てくるのがLP+リスティング広告の組み合わせです。
LP+リスティング広告が皮膚科と相性がいい理由
リスティング広告は、Google検索の結果に表示される広告のこと。「シミ取り 料金」と検索した人に、自分のクリニックの広告を出せます。つまり、すでに施術を受けたいと思っている人にだけ届けられる。チラシやSNS広告と違って、「興味がない人にも見せてしまう」ムダが少ないのが特徴です。
ただし、広告をクリックした先が普通のホームページだと、患者さんは迷います。トップページに飛んで、メニューから施術ページを探して、料金を確認して……この時点で離脱する人がかなりいる。
そこでLPを用意します。LPとは、特定の施術に特化した1枚のページ。たとえば「シミ取りレーザー」専用のLPなら、施術内容、料金、症例、よくある質問、予約ボタンが1ページに全部入っている。検索した人がクリックして、知りたい情報が全部揃っていて、そのまま予約できる。この「迷わせない導線」が、予約率を大きく変えます。
事例①:銀座の美容皮膚科がCPAを8万円から1万3,000円に改善した話
銀座の美容皮膚科の事例が参考になります。このクリニックはシミ・しわ・たるみ治療を中心にリスティング広告を始めたものの、最初の予約獲得単価(CPA)は約8万円。広告費に対して予約が全然取れていなかった。
転機になったのは、施術ごとに専用のLPを作り、広告のターゲットを絞り込んだこと。たとえば「シミ取り」で検索した人には、シミ取りだけに特化したLPに飛ばす。「たるみ 治療」で検索した人には、たるみ治療のLPに飛ばす。当たり前に聞こえますよね。でも実際は、全施術を1つのページにまとめているクリニックがかなり多いんです。
結果、開始1ヶ月でCPAが4万円に。3ヶ月後には1万3,000円まで改善しました。さらに時間帯別の入札調整(夜間の広告停止、平日と週末の単価調整)や除外キーワードの最適化を重ねることで、継続的なコスト改善につながっています。
ポイントは「LPを施術ごとに分けた」ことに尽きます。1枚のLPに全部詰め込むクリニックが多い中で、検索キーワードごとにLPを用意するだけで、ここまで数字が変わる。手間はかかりますが、広告費のムダが激減します。
事例②:開院4ヶ月で広告費200万に対し売上1,800万を超えた話
大阪で新規開院した美容皮膚科の事例も紹介します。このクリニックは開院と同時にGoogle広告を開始。LPへの送客単価は初月250円でしたが、3ヶ月目には120円まで下がり、約50%の削減に成功しています。
売上の推移がわかりやすい。開院初月は売上350万円。そこから広告運用を改善しながら、4ヶ月目には広告予算200万円に対して売上1,800万円を超えた。売上高広告費比率でいうと10%前後。自由診療の単価が高いとはいえ、4ヶ月でこの数字はかなり優秀です。
ここで注意してほしいのは、「広告を出せば同じ結果になる」わけではないということ。この事例はLPの質が高く、広告文とLPの内容が一致していて、日々の運用改善(キーワードの追加・除外、入札調整)を地道にやっている。新規開院で最初から広告に投資できた、という前提条件もあります。
成果が出ているクリニックに共通するポイント
複数の事例を調べてみると、うまくいっているクリニックには3つの共通点があります。
1つ目は、施術ごとにLPを分けていること。「美容皮膚科」の総合ページに広告を飛ばすのではなく、「シミ取り」「ボトックス」「医療脱毛」とキーワードに合ったLPを用意している。検索した人の意図とページの内容がズレないので、離脱が減ります。
2つ目は、予約フォームがシンプルなこと。フォームの入力項目が増えるほどコンバージョン率が落ちることは、複数の調査で確認されています。特に電話番号・住所・年齢のような心理的負担の大きい項目はCVRを下げやすい傾向があります。名前・電話番号・希望日時くらいに絞って、あとは来院時に聞けばいいんです。
3つ目は、数字を見て毎週改善していること。広告は出したら終わりではありません。どのキーワードから予約が入っているか、CPAが上がっている曜日・時間帯はどこか、LPのどこで離脱しているか。これを見て調整を繰り返しているクリニックが、結果的にCPAを下げています。
医療広告ガイドラインだけは気をつけてほしい
クリニックのLPには、普通のLPにはない制約があります。医療広告ガイドラインです。
LPを含むウェブサイトもガイドラインの対象になっていて、主に以下の点に注意が必要です。
- ビフォーアフター写真:治療内容・費用・リスク・副作用等の詳細説明がない場合は掲載不可
- 患者の体験談:主観や伝聞に基づく治療効果の体験談広告は禁止
- 比較優良表現:「日本一」「最高」など他院と比較して優れているとする表現は禁止
- 「治療し放題」などの表現:不当に患者を誘引するおそれのある表現はNG
違反した場合、内容によっては行政指導や是正命令の対象となります。虚偽広告や是正命令への違反では、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
Google広告の審査でも医療・ヘルスケア分野は媒体側ポリシーや法規制の影響を受けやすく、LP制作の段階からガイドラインを把握しておかないと、広告が出せない・出しても停止される、という事態になります。ここは自力でやるより、医療広告に詳しい制作会社に相談したほうが確実です。
鹿児島の皮膚科で応用するなら
鹿児島は首都圏と比べると競争が緩い可能性があり、検索広告の効率が合う余地はあります。ただし、実際のクリック単価や競合の広告出稿状況はキーワードプランナー等で事前に確認することをおすすめします。
最初から月50万円の広告費を出す必要はありません。僕がクライアントに勧めているのはこの順番です。
まず、自由診療で一番予約が欲しい施術を1つ決める。シミ取りでもいいし、医療脱毛でもいい。その施術に特化したLPを1枚作る。料金、施術の流れ、よくある質問、予約ボタン。これだけで十分です。
次に、月5〜10万円のリスティング広告をそのLPに流す。最初は「鹿児島 ○○(施術名)」のキーワードだけでいい。1〜2ヶ月データを貯めて、どのキーワードから予約が入るかを見る。そこからキーワードを増やしたり、LPを改善したりしていく。
大事なのは、ホームページに広告を流すのではなく、専用のLPに流すこと。この違いだけで予約率はかなり変わります。
まとめ
皮膚科の自由診療で初診予約を増やすなら、LP+リスティング広告は再現性が高い方法です。ポイントは3つ。施術ごとにLPを分ける。予約フォームはシンプルに。データを見て毎週改善する。
自由診療の集患がうまくいかない、広告を出してるけどCPAが高い。そういう状況なら、まずLPと広告の「つながり」を見直してみてください。何が足りないか、一緒に整理します。