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パン屋がInstagramのストーリーズで”毎朝完売”を作っている方法

「パンは焼けたそばから売れていくのに、午後にはお客さんが来ない」「朝の行列を作りたいけど、チラシを撒く余裕もない」——。実は今、Instagramをうまく使って午前中の来店を安定させているパン屋が増えています。広告費をかけずに、です。どんなやり方なのか、実際の事例を調べてみました。

個人のパン屋が抱える集客の壁

パン屋の集客には、飲食店とはちょっと違う難しさがあります。商品の賞味期限が短いから、「今日中に売り切る」が前提。作り置きができない以上、来店のタイミングをお客さん側に合わせてもらう必要がある。でも、いつ何が焼き上がるかは店に行かないとわからない。

もう一つは立地の問題。個人のパン屋は住宅街や路地裏にあることが多くて、通りすがりの来店が期待しづらい。大手のように広告を打つ予算もない。結果、常連さん頼みになって、新規のお客さんが増えないまま売上が頭打ちになるパターンはよく見ます。

ここを突破している店に共通しているのが、Instagramの活用です。特にストーリーズは、「今日の情報をリアルタイムで届ける」という使い方と相性がいい。

事例①:amam dacotan——Instagramで19万フォロワーの行列店

福岡市六本松にあるパン屋「amam dacotan(アマムダコタン)」。2018年11月の開業から数年で、Instagramのフォロワーが19万人を超えました(執筆時点)。行列ができる人気店として、複数のメディアに取り上げられています。

この店のInstagramの特徴は、世界観の統一。投稿のトーン、写真の色味、文章の空気感がすべて揃っている。「パン屋のアカウント」というより「一つのメディア」に近い作り込みです。集客もスタッフ採用もInstagram主体で行っており、広告費をかけない運用が確認されています。

注目したいのは、コロナ禍の動き。2020年春、午前中に客が集中する状況を避けるため、午後の看板商品としてマリトッツォを開発した。これがSNSで一気に拡散されて、全国的なブームの火付け役になりました。「困ったときにSNSで打ち手を出せる」体制がすでにできていたから、ピンチをチャンスに変えられた。ここが大きいです。

僕の見方だと、フォロワー19万という数字より「SNSが経営の武器として機能している」ことのほうが本質。フォロワーが少なくても、同じ構造は再現できます。

事例②:丘の上のパン屋——開業前からInstagramで仕込んだ集客

横浜市のたまプラーザ駅からバスで約10分。「丘の上のパン屋」は、決してアクセスがいい場所にはありません。それでもInstagramのフォロワーは5.6万人を超えていて(執筆時点)、遠方からわざわざ来るお客さんも多い。

この店がやったのは、2018年4月の開業から約9ヶ月前——2017年7月頃からブログとInstagramで情報を発信し続けたこと。店舗の建設過程、パンの試作風景、陳列方法の検討——「お店ができていく過程」を見せていった。オープン時にはすでにファンがついていた状態です。

開業後もInstagramを継続的に活用し、パンが並ぶ様子や丘を囲む自然の風景を発信。「行ってみたい」と思わせる空気感を作っています。立地のハンデを、Instagramのコンテンツ力でひっくり返した事例です。

ストーリーズで来店を引き寄せる3つの仕掛け

成功している店のInstagram運用を調べると、ストーリーズの使い方にはパターンがあります。

1つ目は「焼き上がりのリアルタイム告知」。「クロワッサン、10時に焼き上がります」「バゲット、あと30分で出ます」。ストーリーズは24時間で消えるから、この”今だけ感”と相性がいい。フィード投稿だとタイムラインに埋もれますが、ストーリーズは画面上部に常に表示される。近所のフォロワーが見て「じゃあ行こうか」となる導線です。

2つ目は「残数カウントダウン」。「食パン、残り3本です」「本日分、完売しました」。これをストーリーズで流すと、翌日は「早く行かなきゃ」という心理が働く。完売の報告自体が、次の日の集客装置になるんです。

3つ目は「製造過程の公開」。生地をこねている手元、オーブンから出てくる瞬間、焼き色のアップ。ストーリーズの短い動画で見せるだけで、「手作りで丁寧にやっている」という信頼感が伝わります。高級食パン専門店の嵜本(さきもと)も、焼き上がり時間の案内を投稿に取り入れており、来店タイミングを伝える発信を続けています。

成功しているパン屋のInstagramに共通すること

複数の事例を横断して見ると、共通点は3つあります。

まず、「実用情報」を必ず入れていること。笹塚のパン屋「オパン」(執筆時点のフォロワー約3.9万人)は、公式サイトで焼き上がり時間や定休日を事前に確認できる設計にしています。映える写真だけでは来店にはつながらない。「いつ行けば買えるのか」がわからないと、人は動かないんです。

次に、ストーリーズとフィード投稿の役割を分けていること。フィードは「世界観を作る場所」、ストーリーズは「今日の情報を届ける場所」。この使い分けができている店は、フォロワーとの接点が日常的に生まれます。

最後に、「予約・購入の導線」が整っていること。プロフィールに予約方法を載せて、ストーリーズのハイライトに営業カレンダーや注文手順をまとめている。「いいな」と思った瞬間に行動できる受け皿がある。Webは受け皿がなければ意味がない、という話はこのブログで何度も書いていますが、Instagramでも同じです。

鹿児島のパン屋で応用するなら

「うちはフォロワー100人もいないし……」という声が聞こえてきそうですが、ストーリーズの強みは、フォロワーが少なくても効果が出やすいところです。フィード投稿はアルゴリズムに左右されるけど、ストーリーズは「フォローしている人の画面上部に出る」仕組み。100人のフォロワーでも、その100人にはちゃんと届きます。

鹿児島で始めるなら、まずこの順番を試してみてください。

ステップ1:Instagramをビジネスアカウントに切り替える。無料で5分あればできます。

ステップ2:毎朝、焼き上がりのタイミングでストーリーズを1本上げる。スマホで撮って、「○○、焼き上がりました」のテキストを載せるだけ。凝った編集はいりません。

ステップ3:完売したらその報告もストーリーズに出す。「本日分、完売しました。ありがとうございます」の一言でいい。

ステップ4:プロフィールに営業時間・定休日・場所を入れて、ハイライトに「メニュー」「アクセス」をまとめる。

これだけで、来店の導線は一つできます。写真の撮り方は後から磨けばいい。自然光が入る窓際で、斜め45度から撮るだけでパンはおいしそうに見えます。まずは「出す」ことのほうが先です。

結局、ストーリーズが効くのは「今」を届けられるから

パン屋とInstagramのストーリーズは、構造的に相性がいい。パンは「今焼けた」ものに一番価値がある。ストーリーズは「今この瞬間」を届けるツール。この2つが噛み合うから、広告費をかけなくても来店につながる可能性が高まるんです。

もちろん、Instagramだけですべてが解決するわけではありません。商品力や予約導線、口コミとの組み合わせがあって初めて機能します。ただ、「今日何が焼けているか」を届ける仕組みがない状態のまま悩んでいるなら、ストーリーズは最初の一手として試す価値があります。

「うちのパン屋でもできるのかな」と思ったら、今のInstagramアカウントを見せてください。何を変えればいいか、一緒に考えます。

ここも気になるかも

パンの写真、スマホでもおいしそうに撮れる?

撮れます。ポイントは光の方向。窓際の自然光で、斜め逆光か横からの光が当たる位置にパンを置く。角度は斜め45度——食べるときの目線と同じ角度が、一番おいしそうに見えます。背景にコーヒーカップや布を置くと雰囲気が出ますが、なくてもパンのアップだけで十分です。

投稿は毎日やらないとダメ?

フィード投稿は毎日じゃなくていい。週2〜3回で十分です。ただしストーリーズは毎日出すのが理想。24時間で消えるから「しつこい」とは思われにくいし、出さない日が続くとフォロワーの目に入らなくなる。朝の焼き上がりに合わせて1本、がちょうどいいペースです。

フォロワーが少ないうちは意味がないのでは?

フォロワー数と来店数は比例しません。大事なのは「近所に住んでいるフォロワー」が何人いるか。フォロワー100人でも、そのうち30人が徒歩圏内に住んでいれば効果は出ます。地域のハッシュタグ(#鹿児島パン屋 など)を使えば、近くの人にリーチしやすくなります。

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