「Googleマップで検索したら、うちの店の営業時間が違ってた」——この話、僕のクライアントからも何度か聞いたことがあります。しかもオーナー本人は何も変えていない。じゃあ誰が変えたのか。答えは、Googleか、通りすがりのユーザーです。
Googleビジネスプロフィール(以下GBP)は、放置していると想像以上にやっかいなことが起きます。今回は「登録だけして何もしていない」状態が何を招くのか、具体的に整理します。
そもそもGBPは「自分で作らなくても存在する」
まず前提として知っておいてほしいのが、GBPはオーナーが登録しなくても表示されるということです。Googleは公開Web情報や第三者のデータ、ユーザーの投稿などをもとにビジネス情報を生成・表示します。つまり「うちは登録してないから関係ない」が通用しません。
オーナー登録をしていない状態だと、誰でも「情報の修正を提案」できます。営業時間、電話番号、カテゴリ。第三者が提案した変更をGoogleが採用すれば、知らないうちに情報が書き換わる。実際、ローカルSEO界隈ではGoogle側の更新によってビジネス名が不自然に書き換わる事例が複数報告されています。
放置すると起きる5つのこと
GBPを放置した場合に何が起きるか。よくあるパターンを5つ挙げます。
1. 情報が間違ったまま表示される
営業時間、定休日、電話番号。これらが古いまま、もしくは第三者に書き換えられた状態で表示され続けます。「定休日に来てしまった」というクレームが出たら、まずGBPを確認してみてください。原因がそこにあるケースは少なくありません。
2. 口コミが放置され、評判が下がる
口コミは放っておいても増えます。問題は、ネガティブな口コミに何も返信しない状態が続くこと。Mozの調査では、否定的なレビューを書いた人の67%が、オーナーの適切な返信によってその企業への印象が改善したと回答しています。BrightLocalの調査でも、すべてのレビューに返信する企業を利用したいと答えた消費者は88%にのぼりました。逆に言えば、返信しなければ「この店は客の声を無視する店」という印象がそのまま残ります。
3. 検索で見つかりにくくなる
Google公式によると、ローカル検索の順位は主に「関連性」「距離」「知名度」で決まります。レビュー数や高評価は知名度に影響するとGoogleも認めています。一方で、更新頻度や口コミへの返信率がどの程度順位を左右するかは、Googleは詳細を公開していません。ただし実務上は、レビュー対応や情報更新を継続している店舗のほうが、ユーザーから選ばれやすく来店につながりやすい傾向があります。
4. 写真がおかしなことになる
GBPの写真は、ユーザーが自由にアップロードできます。オーナーが管理していないと、店舗の隣の民家の写真がメイン画像になっていたり、まったく関係ない料理の写真が表示されていたりする。しかもGoogleは、オーナーが設定したカバー写真よりもユーザー投稿を代表画像に選ぶ場合がある。これ、実際にけっこうあります。
5. 第三者にオーナー権限をリクエストされる可能性がある
オーナー確認や権限管理が不十分なGBPには、第三者から「オーナー権限のリクエスト」が行われる可能性があります。Google公式によると、現在のオーナーにはメール通知が届き、一定期間内に応答しない場合、申請者にオーナー権限が移ることがあります。すぐに奪われるわけではありませんが、放置していると管理面のリスクは確実に高まります。
「うちは口コミ少ないし、関係ないかな」は危ない
口コミが少ない店舗ほど、実はダメージが大きいんです。口コミが100件ある店に星1のレビューが1件ついても平均はほぼ変わりません。でも口コミが5件しかない店に星1が1件つくと、平均評価がガクッと下がる。
BrightLocalの調査でも、星評価が高いほどクリックされやすい傾向がはっきり出ています。評価が低い店舗は、GBPを見ても電話や経路検索に進まない確率が上がる。口コミが少ない店ほど、1件1件の返信が評価の印象を左右します。
Googleは「ちゃんと管理している店」を評価している
Google公式は、ビジネスプロフィールについて「レビューに返信すること」「写真や動画を追加すること」「情報を正確に保つこと」を推奨しています。レビュー数と高評価が順位にプラスに働くことも明言されています。
更新頻度そのものが順位シグナルかどうかは公式には確認できませんが、情報が正確で、口コミにきちんと向き合っている店舗は、検索でもユーザーからの信頼でも有利になるのは間違いありません。GBPにログインすらしていない状態は、少なくとも「チャンスを逃している」状態です。
じゃあ、最低限なにをすればいいか
「毎日投稿しろ」とは言いません。最低限やるべきことは3つだけです。
週1回、情報が正しいか確認する。営業時間、電話番号、住所。特に祝日の営業時間はズレやすいので、月初にまとめて設定しておくのがおすすめです。
口コミには必ず返信する。良い口コミには「ありがとうございます」の一言でいい。悪い口コミには感情的にならず、事実を踏まえて丁寧に返す。これだけで「ちゃんと見てる店だな」という印象になります。
月に1回、写真を追加する。スマホで撮った店内の写真で十分です。季節メニュー、スタッフの様子、店内のレイアウト。「この店、ちゃんと動いてるな」と思わせるだけで効果があります。
今日やってほしいこと1つだけ
まず、Googleで自分の店名を検索してみてください。右側(スマホなら上部)に出てくるGBPの情報を見て、営業時間が合っているか、写真がおかしくないか、口コミに未返信のものがないか。それを確認するだけで、今の状態がわかります。
もし情報が間違っていたら、GBPにログインして修正する。オーナー登録がまだなら、まずそこからです。Googleビジネスプロフィールのページから「このビジネスのオーナーですか?」をクリックすれば手続きが始まります。
まとめ
GBPの放置は、見えないところで集客のチャンスを削り続けます。情報の誤り、口コミの放置、検索順位の低下。どれも派手なトラブルじゃないから気づきにくい。でも毎月少しずつ、お客さんが減っている原因がここにあるかもしれません。
Googleマップで自分の店を検索したら情報がおかしかった。口コミに何も返信できていない。そういう状態をどうにかしたいと思ったら、一度GBPの画面を見せてください。何が足りないか、どこから手をつけるか、一緒に整理します。