「広告を出してみたけど、全然反応がない」「毎月お金だけ減っていく」——この相談、僕のところにもかなりの頻度で来ます。Google広告やSNS広告を始めたのに成果が出ない。その原因、実は広告の設定ミスじゃないケースがほとんどなんです。
結論から言います。広告を出す前に「受け皿」を整えていないと、お金を燃やしているのと変わりません。受け皿とは、広告をクリックした人が最初にたどり着くページ——つまりLP(ランディングページ)のことです。
広告だけ出しても成果が出ない理由
広告の役割は「人を連れてくる」こと。ここまでは誰でもわかる。でも、連れてきた先がどうなっているかを考えていない人がけっこう多いんです。
たとえば、Google広告をクリックした人が会社のトップページに飛ぶ設定になっている。トップページには会社概要、事業紹介、採用情報、ニュース……いろんな情報が並んでいます。広告で「無料相談受付中」と書いてあったのに、飛び先で無料相談のことがどこにも見当たらない。これでは離脱されて当たり前です。
広告で伝えたメッセージと、着地先のページの内容がズレている。これを「メッセージミスマッチ」と呼びます。Googleも広告改善のベストプラクティスとして「広告とランディングページのメッセージを一致させること」を明記しています。僕が見てきた中でも、成果が出ない広告の大半はこのパターンに当てはまります。
もう1つよくあるのが、「とりあえず広告を出してみよう」で始めてしまうケース。キーワードの設定やターゲットの絞り込みに時間を使う人は多いのに、クリックした先のページには無頓着。広告の管理画面ばかり見ていて、肝心の着地先が手つかずのまま。これ、穴の空いたバケツに水を注いでいるのと同じです。
「受け皿」がないとどれくらい損をするか
数字で見ると、問題の深刻さがはっきりします。
WordStreamの分析によると、LPの平均コンバージョン率(CVR)は2.35%。上位25%のLPは5.31%以上、上位10%になると11.45%を超えます。一方、全体の約4分の1はCVRが1%未満。つまり100人来ても1人も問い合わせしない状態です。
仮にクリック単価が200円で月500クリック集めたとします。広告費は月10万円。CVRが1%なら問い合わせは5件。CVRが5%あれば25件。同じ10万円で5倍の差がつきます。この差を生んでいるのが、LPの質です。
さらに、Googleは広告の品質評価にランディングページの利便性を含めています。広告やLPの関連性・有用性が高いほど、クリック単価が下がりやすくなるとGoogleは案内しています。つまり、LPを整えることは広告費の効率にも直結します。
ホームページとLPは役割が違う
「うちはホームページがあるから大丈夫」と思っている方が多いですが、ホームページとLPはそもそも目的が違います。
ホームページは、会社の全体像を伝えるためのもの。名刺代わりというか、いろんな情報を幅広く載せる場所です。一方、LPは「1つの行動をしてもらう」ために作る1枚のページ。問い合わせ、資料請求、予約——ゴールを1つに絞って、そこに向かって情報を並べます。
実際に、広告の遷移先を通常のサービスページから専用LPに切り替えるだけで、資料請求や問い合わせ率が大きく改善するケースは珍しくありません。ページの内容を「広告で興味を持った人が知りたいこと」に絞る。それだけで反応は変わります。
LPを作るときに押さえるべき3つのこと
「じゃあLPを作ろう」となったときに、最低限これだけは意識してみてください。
1つ目は、広告の文言とLPの内容を一致させること。広告で「初回無料」と書いたなら、LPの一番上に「初回無料」と書く。当たり前のことですが、できていないケースが本当に多いんです。
2つ目は、フォームの項目を必要最小限にすること。HubSpotの調査では、電話番号や住所など心理的ハードルの高い項目がコンバージョン率を下げやすいと報告されています。最初の問い合わせでは、名前・電話番号・相談内容くらいに絞るのが有効です。追加の情報は、あとからヒアリングすれば済む話です。
3つ目は、ページの表示速度。Googleのデータでは、小売分野においてモバイル表示が1秒遅くなるだけでコンバージョンに最大20%影響しうるとされています。業種によって幅はありますが、表示速度がCVに直結するのは間違いありません。画像を圧縮する、不要なスクリプトを外す。技術的な話に聞こえますが、やることはシンプルです。
鹿児島の中小企業こそLPが効く理由
地方の中小企業の場合、広告予算は限られています。月5万〜10万円で回しているケースが多い。だからこそ、1クリックの価値を最大化しないといけません。
鹿児島で整骨院を経営しているとします。「鹿児島市 整骨院 腰痛」で検索した人がクリックした先が、施術メニューも料金もアクセスもバラバラに並んだホームページだったら、その人は3秒で離脱します。でも、「腰痛でお悩みの方へ」という見出しから始まるLPがあれば、「ここは自分のための場所だ」と感じてもらえる。
広告の予算を増やす前に、受け皿を整える。これが最もコスパのいい改善策です。
当社クライアントの改善事例
鹿児島市内でリフォーム業を営むクライアントの事例を紹介します。月8万円のGoogle広告を半年間出し続けていたのに、問い合わせは月1〜2件でした。話を聞いてみると、広告のリンク先は会社のトップページ。
やったことは1つだけ。「キッチンリフォームをお考えの方へ」という見出しで始まるLPを1枚作り、広告のリンク先をそこに変えました。施工事例を3つ載せて、料金の目安を出して、問い合わせフォームの項目は名前と電話番号と希望内容の3つだけ。
結果、翌月から問い合わせは月5〜6件に増えました。広告費は変えていません。変えたのは「受け皿」だけです。このくらいの変化は、自社の支援実績の中でも決して珍しくありません。
今日からできること
まず、今出している広告(もしくはこれから出す予定の広告)のリンク先を確認してみてください。飛び先がホームページのトップページになっていたら、それが成果の出ない原因かもしれません。
LP自体は、WordPressのテンプレートなどを使えば形だけなら作れます。ただし、成果の出るLPには設計が要ります。「誰に、何を、どの順番で伝えるか」——この構成設計がCVRを左右します。ツールの使い方より、ページに何を載せてどう流すかのほうがはるかに重要です。
まとめ
広告は「人を連れてくる仕組み」。LPは「来た人を受け止める仕組み」。片方だけでは成果は出ません。広告費を上げる前に、受け皿を整える。この順番を間違えると、お金だけが消えていきます。
広告を出しているのに問い合わせが来ない——そんな状態を変えたいと思ったら、まず今のリンク先のページを見せてください。何が足りないか、一緒に整理します。