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議事録づくりをAIに任せたら、会議後の作業がごっそり減った話

「会議は1時間で終わったのに、議事録をまとめるのにもう1時間かかった」。この話、経営者の方と話しているとかなりの確率で出てきます。内容は覚えているのに、いざ文字にしようとすると手が止まる。結局その日のうちに終わらず、翌日には記憶があいまいになっている。

この作業、今はもうほとんど手を動かさずに終わります。今日は議事録づくりをAIに任せるやり方を、手順と注意点まで含めて書きます。

先に結論を言うと、やることは「会議を録音する」「文字起こしをAIに渡して整理してもらう」「人の目で1回だけ確認する」の3つだけです。ただし、録音していい会議とダメな会議の線引きは、始める前に決めておいてください。

議事録づくりが後回しになるのは、サボりじゃない

議事録が溜まるのは、やる気の問題じゃないんです。録音を聞き返す、要点を拾う、体裁を整える。この3工程を一人で抱えると、1時間の会議に対して会議後の作業だけで2〜3時間かかることもあります。しかもこの時間、誰かに評価されるわけでもない。だから後回しになります。

参考になる調査が1つあります。情報システム部門やDX推進を担当している506人に聞いた調査では、議事録の作成・要約で生成AIを使っている人は28.1%でした。ただしこれは、IT寄りの職種を対象にした調査です。日本の会社全体の実態というより「ITに近い人でもまだ3割弱」と読むのが正確だと思います。逆に言えば、一般の中小企業ではもっと少ない。ここに手をつけるだけで、けっこう差がつきます。

ちなみにその調査で最も使われていたのはMicrosoft 365のCopilotで、39.2%でした。Teamsを使っている会社なら、すでに契約の中に入っている可能性があります。

今日からできる、一番簡単なやり方

やることはシンプルです。会議中はスマホを1台、テーブルの真ん中に置いて録音する。それだけ。

iPhoneなら標準の「ボイスメモ」で文字起こしができます。ただし条件があって、iPhone 12以降、対応している言語であること、さらに国や地域によっては使えないとAppleが明記しています。Androidは機種によります。Google Pixelの「レコーダー」なら文字起こしができて、要約まで使えるのはPixel 8以降。それ以外のAndroidはメーカー次第なので、まず自分の端末で試してみてください。

オンライン会議なら、TeamsやGoogle Meetにも文字起こしや会議メモを自動で作る機能があります。ただしこれも契約プラン次第です。TeamsのCopilotで要点整理や会議メモの自動作成を使うには、Microsoft 365 CopilotやTeams Premiumといったライセンスが必要ですし、会議後にしっかり使うには文字起こしをオンにしておく必要があります。Meetの自動メモも、対象のGoogle Workspaceエディションか、Google AIプランが要ります。「うちの契約で使えるか」を先に確認するのが早いです。

録音が終わったら、文字起こしされたテキストをChatGPTやClaudeに貼り付けて整理してもらう。これで下書きが数十秒で出てきます。

そのまま使えるプロンプト

プロンプト(AIへの指示文)は、これくらいで十分です。

「以下は会議の文字起こしです。議事録として、1. 決定事項 2. 持ち帰り事項 3. 次回までのアクション 4. 担当者 5. 期限、の順で整理してください。あいまいな点は『要確認』と明記してください。」

最後の「要確認と明記してください」がけっこう効きます。これを入れておくと、AIが分からないところを分かったふりしてまとめるのを防げるんです。出てきた議事録に「要確認」が並んでいたら、そこだけ自分の記憶で埋めればいい。全部を読み返すより、はるかに速いです。

無料ツール、どこまで使えるか

ツール選びで迷ったら無料の範囲から試すのがいいと思いますが、「無料=無制限」ではないので、そこだけ先に書いておきます。

tl;dvは、録画と文字起こし自体は無料プランでも無制限です。ただしAIノートには制限があって、ヘルプによると最初の10会議までは会議全体の自動AIノート、それ以降は各会議の最初の10分だけ。AIへの指示回数やアップロード数にも上限があります。文字起こしはたっぷり試せるけど、要約まわりは制限あり。そう思っておくとズレません。

Nottaは月120分まで無料です。ただし1回の会話あたり最大3分という条件もあるので、長い会議を無料だけで回すのは正直きついです。

対面の会議が多いなら、torunoの個人向けプラン(torunoパーソナル)に累計3時間分の無料枠があります。法人向けの無料トライアルは現在は用意されていないようなので、まず個人向けで感触を確かめるのが現実的だと思います。

会議が週に何度もある会社なら、最初から有料前提で比較したほうが結局早いです。月1,000円台から選べます。

実際にやるとどう変わるか

ある試算では、AIを使う前は1時間の会議に対して確認や修正まで含めて2〜3.5時間かかっていた作業が、AI要約の確認・修正だけなら15〜30分で終わるとされています。1会議あたり約2時間。週5回会議がある会社なら、年間で500時間ほどの計算です。ただしこれは導入効果の目安として出ている数字で、どの会社でも必ずこうなるという話ではありません。

僕のクライアントでも、打ち合わせのたびに議事録係を決めて、誰かが1時間かけてタイピングしていた会社がありました。録音とAI要約に切り替えてから、担当者が会議の内容そのものに集中できるようになったそうです。メモを取りながら聞くのと、話に集中して後でAIに任せるのとでは、会議の質そのものも変わってきます。

このやり方が向いている会議・向かない会議

向いているのは、定例会議、営業の打ち合わせ、社内の進捗確認、オンライン商談みたいに「決まったこと」と「次にやること」を残したい会議です。

逆に、人事評価、採用面接、トラブル対応、機密性の高い契約交渉のように、発言の扱いに慎重さがいる場では、録音そのものや外部のAIに渡すことを見送ったほうがいい場面もあります。便利だから全部AI、ではなくて、会議の種類ごとに線を引いておくと後で揉めません。

先に1つだけ決めておくと、運用がラクになります

おすすめは「どの会議まで録音していいか」を先に決めることです。

社外との会議は冒頭で一言断る。人事・採用・契約交渉は録音しない。議事録は会議後24時間以内に確認して送る。この3つを決めておくだけでも、便利さだけが先行して後から情報管理で困る、という展開をかなり防げます。

気をつけること

AIの文字起こしは完璧じゃありません。専門用語や固有名詞、複数人が同時に話す場面では誤変換が出ます。出てきた議事録をそのまま送るのではなく、必ず人の目で一度確認する。ここは省略できない工程です。

もう1つが情報の扱いです。会議には取引先の名前や金額、人事の話が含まれることがあります。無料の文字起こしツールの中には、データの保存やAI学習への利用について説明が十分でないものもあるので、契約や個人情報が絡む会議では利用規約を確認してから使ってください。共有リンクの権限設定を間違えて、誰でも見られる状態にしてしまうミスも実際に起きています。

あと、AIに丸投げして満足するのも危ないパターンです。議事録は作って終わりじゃなくて、次のアクションを動かすためのもの。「次回までにやること」の欄を実際に誰かが見て動いているか。ここを確認しないと、きれいな議事録が量産されるだけで、会議の中身は何も変わりません。

僕はこう使ってます

クライアントとの打ち合わせをオンラインでやるときは、ほぼ必ず録音してClaudeに文字起こしを渡しています。「決定事項」「持ち帰り事項」「次回までにやること」の3つに分けてもらうと、そのままSlackやメールに貼れる形で出てきます。対面のときは、スマホを机に置いておくだけ。それだけで「あれ、あの件どうなったんだっけ」がなくなりました。

ただ、出てきたものを鵜呑みにはしていません。特に金額や日付は自分の記憶と照らして、違ったらすぐ直す。70点の下書きを作ってもらって、自分で100点に仕上げる。これくらいの感覚がちょうどいいと思っています。

まとめ

まずは次の打ち合わせで1回だけ、スマホの録音アプリを起動してみてください。それだけでいいんです。文字起こしと要約は、その後にChatGPTやClaudeに任せればいい。この1回をやるかどうかで、会議に対する感覚が変わってきます。

AIを業務に取り入れたいけど何から手をつければいいかわからない。そんなときは声をかけてもらえれば、どこから始めると効きそうか一緒に整理します。

ここも気になるかも

録音していいか、相手に伝える必要はある?

法律とマナーを分けて考えるのがいいと思います。個人情報保護委員会のFAQでは、通話内容が個人情報にあたる場合でも、利用目的の通知や公表の義務はあるものの、録音していること自体を伝える義務までは負わないとされています。つまり日本の法律上、常に伝えなければいけないとは言い切れません。ただ、取引先との会議では信頼関係や社内規程、秘密保持の観点から、最初に一言伝えておくほうが実務上は安全です。

音質が悪い会議室でも精度は出る?

環境の影響は受けます。複数人が同時に話す場面や、反響が強い会議室では誤変換が増えます。人数の多い対面会議では、スマホ1台より指向性のあるマイクを併用したほうが精度は安定します。

無料ツールだけで続けられる?

会議の頻度によります。週1〜2回で、要約は自分でざっと整えるくらいなら無料枠でも回せます。ただしtl;dvもNottaも要約や時間に制限があるので、毎日会議がある会社は早めに有料プランを検討したほうが結局手間が少なくなります。

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