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整備工場がGoogle広告で車検予約を増やした方法を調べてみた

「チラシをまいても、昔ほど車検の予約が入らなくなった」——整備工場の方から、この相談がけっこう増えています。撒く枚数は変えていないのに、反応だけが薄くなっていく。そういう工場、鹿児島でもよく見かけます。

じゃあ何に切り替えればいいのか。よく名前が挙がるのがGoogle広告(検索したときに画面の上のほうに出てくる広告)です。実際にチラシからこれに切り替えて車検を伸ばした会社を調べてみたので、その話と、鹿児島の小さな工場でも応用できる形を整理してみます。

先に結論を言うと、車検の集客で効くのは「今まさに車検が近い人」を地域名×検索広告で拾うことです。ただし広告の前に、料金・代車・所要時間がわかる受け皿を整えておくのが前提になります。

整備工場の集客、何がそんなに難しいのか

まず前提として、自動車整備の市場は小さくありません。日本自動車整備振興会連合会の平成30年度(2018年度)調査では、総整備売上高は5兆5,295億円。さらに直近の令和6年度調査では6兆2,561億円まで伸びていて、3年連続で増えています。少なくとも統計上は、市場が急に縮んでいるとは言いにくい。むしろ直近は増加傾向です。全国を走る車は約8,000万台。これを支える大きな市場なんです。

それなのに「町の整備工場」がしんどいのは、その市場の奪い合いが激しいからです。新車を買ったディーラーが、そのまま車検も点検も囲い込む。さらに相見積もりサイトに登録すると、ユーザーは料金と代車の有無で比較してきます。気づけば値下げ合戦に巻き込まれて、整備士の手だけが忙しくて利益は薄い。けっこうある話です。

もうひとつ、車検という商品そのものに特殊な事情があります。車検館という会社の本部長がこう言っていました。「車検は特殊なサービスです」と。理由は、基本的に2年に一度しか発生しないから。自家用乗用車は新車の初回だけ3年、その後は2年ごとです。どれだけ広告で気持ちを盛り上げても、満了日が近づかないとお客さんは動きません。だから勝負どころは、今まさに車検が近い人をどう見つけるか。ここに尽きます。

チラシ一本足打法からWeb広告に切り替えた車検館の話

その車検館は、2002年創業で、2024年3月末までに累計31万台を超える車検をこなしてきた、車検専門のチェーンです。店舗数は、事例記事では首都圏11店舗と紹介されていて、会社概要では2025年1月時点で13店舗となっています。規模は大きいですが、もともとの集客はチラシの「一本足打法」だったそうです。

そこからWebに軸足を移していきます。最初にやったのはサイトのアクセス解析。次にリスティング広告(検索に連動して出る広告)。広告は2010年ごろに少額で始めて、今では月に数百万円を投じる規模まで育てているそうです。

やり方で面白いのが、店舗の近くにある主要な都市名で広告のグループを分けて、そこにキーワードを組み合わせている点です。そして問い合わせ1件あたりの費用が安いものは出稿を増やす、という調整を常に回している。地域を細かく区切って、効率のいいところに寄せていく運用です。

本部長の言葉で、もうひとつ印象に残ったのがサイトについての考え方でした。車のことは自分たちが一番詳しいから、つい全部を伝えたくなる。でも、お客さんに全部は必要ない。何を見せて、何を省くか。サイトは一方的な発信じゃなくて、お客さんとのやり取りの場だ、と。これは規模に関係なく効く考え方だと思います。

僕の見方だと、月数百万という金額に引っ張られると「うちには関係ない」で終わってしまいます。でも本質はそこじゃありません。地域を絞る、効率のいいところに寄せる、サイトで余計な情報を削る。この3つは、月数万円の工場でもそのまま使えます。

「車検」というキーワードの特殊性

Google広告が車検と相性がいいのは、検索する人の状態にあります。「車検」系の検索語句には、相場を調べているだけの人や比較検討の段階の人も混じります。それでも全体としては、満了日が近づいて動き出した、必要性の高いユーザーが多い。顕在層を拾いやすいんです。ここに「鹿児島市 車検」のように地域名を足して出すと、無駄打ちがぐっと減ります。

ただし「車検」は競合の多い人気キーワードです。クリック単価は、地域や競争の状況によって高くなりやすい。出稿する会社が増えるほど、単価も上がっていきます。それでもチラシと決定的に違うのは、探している人にだけ広告が当たること。配った紙の大半が読まれずに終わるチラシとは、お金の効き方が変わります。

もう1つ、2026年のいま押さえておきたい制度の話があります。2025年4月から、車検は満了日の2か月前から受けられるようになりました。以前は1か月前まで。しかも早めに受けても、残りの有効期間は短くなりません。国土交通省が令和7年4月に施行した見直しで、年度末の混雑をならして整備士の働き方を改善する狙いです。つまり「車検が近い人」を広告で拾える窓が、1か月分広がったということ。早めに動ける人へ先に声をかけられる工場が、有利になります。

うまくいってる工場に共通する3つのこと

事例や運用の中身を横断して見ると、共通点は3つに絞れます。

1つ目は、顕在層に絞ること。「地域名×車検」で、今まさに探している人だけを狙う。認知を広げる派手な広告より、満了直前の人を確実に取りにいくほうが、小さな工場には効きます。

2つ目は、受け皿を整えること。広告で人を連れてきても、着いたサイトで料金も代車の有無も所要時間もわからなければ、その場で離脱します。Webは受け皿です。届ける仕組み(広告)と受け止める場所(サイト)は、両方そろって初めて予約になります。

3つ目は、数字を見て回すこと。車検館がやっていたように、費用の安いキーワードに寄せていく。出して終わりじゃなくて、毎月どこが効いたかを見て調整する。地味ですが、ここをやるかどうかで、同じ予算でも結果がずいぶん変わってきます。

広告の前に、受け皿を先に整える

ここでひとつ、現実的な話をします。広告は万能じゃありません。検索広告で人を連れてきても、着地した先で「料金がわからない」「代車があるのか書いていない」「何時間かかるのか不明」だと、その場で離脱します。せっかくのクリック代が、そのまま無駄になるわけです。

逆に言うと、小さな工場でも受け皿さえ整っていれば、広告費の差はある程度ひっくり返せます。最低限そろえたいのは4つ。料金の目安、代車の有無、所要時間、予約方法。これが1ページでパッと見えるようにしておく。まずはそこからです。

予約の入口も、電話だけにしないほうがいいですよ。日中は電話に出られないお客さんもいます。フォームやLINEも用意しておくと、取りこぼしが減ります。

正直、Google広告が向いていないケースもあります

ここまでGoogle広告の話をしてきましたが、正直に言うと、どの工場にも向いているわけではありません。電話に出られない、予約の受け皿がない、料金も代車も所要時間もサイトに書いていない。こういう状態だと、広告費だけが先に出ていきます。

逆に、商圏がはっきりしていて、代車の有無や対応の早さ、説明の丁寧さみたいな強みがある工場なら、広告は効きやすい。広告は魔法じゃなくて、見つけてもらう仕組みなんです。見つかったあとに「ここでいいや」と選んでもらう準備があるかどうか。実はそっちのほうが、結果を大きく左右します。

鹿児島の整備工場で応用するなら

では、鹿児島の小さな工場でやるとしたら何から手をつけるか。考えてみますね。

いきなり月数百万は当然無理です。でも月3〜5万円でも十分スタートできます。「鹿児島市 車検」「○○町 車検 安い」のように地域名を足したキーワードなら、商圏は半径数キロに絞れる。少ない予算でも当たりが出ます。広い言葉で勝負しないのがコツです。

順番としては、まずGoogleビジネスプロフィール(地図に出る、あの無料の情報枠)を整える。これは無料で、車検をマップで探す人にそのまま効きます。地図やローカル検索で表示されるかどうかは、関連性・距離・知名度で決まるとGoogle自身が案内していて、営業時間や電話番号、写真をきちんと埋めるほど有利になります。次に、料金と代車と所要時間がパッとわかる簡単なページを用意する。ここまで土台ができてから広告を足す、という流れが安全です。

タイミングも大事です。車検が集中するのは3月。だからこそ、その手前の閑散期に広告を厚くして、満了2か月前の人を早めに押さえておく。みんなが慌てる時期に勝負するより、空いている時期に先回りするほうが、単価も競争も楽になります。

僕のクライアントでも、繁忙期だけ慌てて広告を出して「効かなかった」と言う方がいました。順番が逆なんです。閑散期に仕込んで、繁忙期はその刈り取り。この設計に変えるだけで、同じ予算でも手応えが変わってきます。

最初に追う数字は、そんなに多くなくていい

広告を始めると「で、何の数字を見ればいいの?」で止まる方がいます。でも、最初から難しいことをやる必要はありません。見るのは4つで十分です。

広告が何回クリックされたか。そのうち何件が問い合わせにつながったか。問い合わせ1件あたりにいくらかかったか。そして、実際に何台入庫したか。この4つを毎月ならべて見るだけでいいんです。

大事なのは、クリックが増えたかどうかじゃありません。予約や入庫につながったかどうかです。ここを見ないと、「広告は回ったけど、ただ忙しくなっただけ」になりやすい。クリックの数で一喜一憂せず、入庫まで追う。これだけで判断がぶれなくなります。

まとめ

結局この業種で一番効くのは、「今まさに車検が必要な人に、地域で見つけてもらう」こと。チラシの撒き方を工夫するんじゃなくて、探している人の前にちゃんと出る。しかも、出た先の受け皿を整えておく。やること自体はシンプルです。まずは自分の工場が「鹿児島市 車検」で検索されたとき、ちゃんと見つかるか。一度スマホで調べてみてください。

チラシの反応が落ちてきた、広告は出しているけど予約につながっている実感がない——そんな状況なら、今の集客の流れを一度見せてください。どこで取りこぼしているか、一緒に探します。

ここも気になるかも

Google広告って、月いくらから始められる?

数万円からでも始められます。地域名を足して商圏を絞れば、月3〜5万円でも回せます。ただし最初の1〜2か月は、データを集める期間だと思ってください。すぐに「効かない」と止めてしまうのが一番もったいないので、まずは小さく続けてみてください。

楽天車検やEPARK車検みたいなポータルは、使わないほうがいい?

全否定はしません。新しい接点にはなります。ただ、料金で比較される土俵なので、放っておくと価格競争に巻き込まれます。ポータルはあくまで入口。最終的に自社サイトやGoogleの地図で見つけてもらう導線を、別に持っておくのが安全です。

Google広告とGoogleの地図対策、どっちを先にやるべき?

先に地図(Googleビジネスプロフィール)です。無料で、車検をマップで探す人にそのまま効きます。情報を整えてから広告を足すと、検索結果と地図の両方で出会えるようになって、取りこぼしが減ります。

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