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埋もれていたカフェが地域メディアと組んで認知を広げた事例を調べてみた

「お店はあるんだけど、そもそも知ってもらえてない」——カフェの方からこの相談、けっこう多いんです。広告を打つほどの予算もない、SNSは続かない、でもこのままだと埋もれていく。今日は、地域メディアとうまく組んで「認知」を突破したカフェの事例を3つ調べてみました。

先に結論を言うと、カフェの認知を広げる近道は、自分のSNSをゼロから育てることじゃありません。すでに読者を持っている地域メディアや、近くのお店に乗せてもらうことです。そのうえで、載ってもらう前にGoogleマップを整えて、載ったあとに反応を測る。この順番で回すと、露出がちゃんと来店に変わっていきます。

カフェの集客、何が一番きついか

カフェの集客で一番のボトルネックは、味でもメニューでもなくて「存在を知られていない」ことです。鹿児島の中心部から少し外れた場所、住宅街の一角、古民家を改装した路地裏のカフェ。こうした立地のお店は、Googleマップや口コミ経由だけでは見つけてもらいにくいことがあります。

かといって、ホットペッパーやぐるなびのような予約送客型のポータルは、夜需要や宴会需要が強い店ほど費用対効果が出やすい仕組みです。カフェの場合は、立地や業態によっては合わないこともあります。SNSも、店主が一人で運用していると更新が止まりがち。

じゃあ何が効くのか。事例を見ていくと、共通して出てくるのが「自分のSNSじゃなくて、他人のメディアに乗せてもらう」という発想でした。

事例①:地域Webメディアと組むという選択肢

名古屋に「ナゴレコ」というローカルメディアがあります。月間約100万PV(外部配信含む)、Instagramフォロワー約20万人、100名以上の編集部・ライター陣で運営される、名古屋エリア最大規模のグルメメディアです。地元の人が地元の店を紹介するという成り立ちで、行政・百貨店・小売・飲食店とのタイアップ企画を積極的にやっているそうです。

カフェの単独アカウントが0からフォロワー20万人を作るのに、どれだけ時間がかかるか考えてみてください。何年やっても厳しい数字です。でも、すでに20万人が見ているメディアに1記事載せてもらえたら、リーチでいうと桁が違います。

僕の見方だと、これは「自分のメディアを育てる」と「他人のメディアを借りる」の使い分けの話です。両方やればいい。ただ、他人のメディアに載る施策は初速が出やすいんです。一方で、自分のSNSを育てる施策は中長期で効いてくる。すぐに動かしたいなら、どっちを先にやるべきかは見えてきます。

事例②:商店街と組んで売上1.5倍になった古民家カフェ

大阪府藤井寺市の商店街で紹介されている事例に、開業時と比べて売上が1.5倍ほどになった古民家カフェがあります。運営しているのは地元の茶葉販売の会社で、やっていたのは地元商店街の他店舗とのコラボメニュー開発でした。

具体的には、地元の和菓子店とコラボした桜餅、ドーナツ店とコラボした抹茶ドーナツ、パン店とコラボしたスコーン。こういう商品を次々と出していったそうです。

面白いのは、これが「商品開発」と「相互送客」と「メディア露出」の三役を兼ねている点です。コラボメニューを出すと、和菓子店のファンがカフェに流れてくる。パン店の常連がスコーンを目当てにやってくる。さらに「商店街でこんな取り組みをやってます」というネタになって、地域メディアやSNSに取り上げられやすくなる。

1つの施策で3方向に効くから、効率がいいんです。ちなみにこれは公開されている事例紹介なので、「必ずどの店でも1.5倍になる」という話ではありません。ただ、構図としてはかなり参考になります。

事例③:他業種クーポンの相互配布で客数10%増

もう一つ、シンプルだけど効くやり方があります。テイストの近いコーヒー店と、高単価のレディースアパレル専門店がコラボして、お互いの店舗で使えるクーポン付きチラシを配布した事例。2週間で客数を10%上げています。

これはチラシの内容や紙質の話じゃなくて、「客層が近いけど競合じゃない店」を見つけて、お互いの顧客に紹介し合うという発想がポイントです。アパレルの女性客はカフェにも行く。カフェの女性客は服も買う。けど、両方の店を知っている人は意外と少ない。そこにギャップがある。

このやり方の良さは、コストがほぼゼロという点です。かかるのはチラシの印刷代だけ。広告費を払って知らない人に届けるんじゃなくて、すでにお金を使ってくれている良質な顧客リストを、お互いに貸し合っているわけです。ただし、これも客層が本当に重なっているかどうかで結果は変わります。相手選びを外すと、いくら配っても動きません。

成功してる事例に共通する3つのポイント

事例を横断して見ていくと、共通点が3つ出てきます。

1つ目は、相手のメディアに「乗っかる」発想を持っていること。自分でフォロワーを集めるのは時間がかかる。だったら、もう持っている人と組んだほうが早い。地域Webメディアでも、商店街の他店舗でも、地元のインスタグラマーでも、構図は同じです。

2つ目は、相手にとってもメリットがある形を作っていること。「うちを紹介してください」だけだと相手は動きません。コラボメニューなら相手の店にも送客できる。クーポンの相互配布なら相手の客数も増える。地域メディアにとっては「面白いネタ」を提供することになる。お互いに得がある設計ができている事例だけが、続いています。

3つ目は、一発で終わらせないこと。テレビに1回出る、フリーペーパーに1回載る、というのは一過性のブームで終わりやすい。一方で、商店街コラボや地域メディアとの定期連載は、関係性が積み上がっていきます。Webは受け皿で、そこに人を連れてくる仕組みが必要なんですが、その仕組みを「単発」じゃなくて「継続」で作っているのが強い事例の特徴です。

鹿児島のカフェで応用するなら

鹿児島でやるならどうするか。いきなり名古屋のナゴレコみたいな大規模メディアを期待する必要はありません。鹿児島にも、すでに動いている地域メディアやインフルエンサーが複数います。

たとえばInstagramだと、「女性にやさしいカフェグルメ【鹿児島】」というアカウントが2026年7月時点で約3.6万人、「CLAIRE|鹿児島カフェ・グルメ・スポット巡り」が約2.2万人。「KADAI INFO」は約1.4万人で、鹿児島大学生が運営する学生Webメディアとして、県内のグルメ情報も発信しています。フォロワー数は時期によって動くので、あくまで目安として見てください。

こういう媒体は、個人や小規模チームで運営されているケースが多いです。個人運営や小規模運営のところであれば、DMや問い合わせフォームから直接相談できる場合もあります。広告出稿という形でもいいし、コラボ企画として「○○特集」を組んでもらう形でもいい。

もう一つ、商店街・近隣店舗とのコラボもけっこう効きます。鹿児島だと天文館、騎射場、谷山、加治屋町など、それぞれにエリア性があります。「同じエリアだけど業種が違う店」と組むと、客層は近いまま競合しないので、相互送客が成立しやすいんです。

最初の一歩としては、自分のカフェの近所を歩いてみて「この店のお客さん、たぶんうちにも来そうだな」と思える店を3軒リストアップする。そこから声をかけていく。これだけで動き出せます。

載ってもらう前に、Googleマップの受け皿を整える

ここまでは「どう認知を取るか」の話でした。ただ、もう一つ大事なのは、取り上げられる前に受け皿を整えておくことなんです。せっかく地域メディアやインスタで見つけてもらっても、Googleマップの営業時間が古い、写真が少ない、メニューが分からない、となると来店にはつながりにくい。ここで取りこぼすのは本当にもったいないです。

取材や掲載の前に、Googleビジネスプロフィールの営業時間、写真、メニュー、口コミ返信までは最低限そろえておく。このひと手間で、露出の効果はかなり変わります。人は「気になる店」を見つけたら、その場でGoogleマップを開いて確かめます。その瞬間に情報が古いと、せっかくの興味がしぼんでしまう。

メディアと組むなら、PR表記を最初に決めておく

それと、地域メディアやインフルエンサーと組むときに忘れたくないのがPR表記です。2023年からいわゆるステマ規制が景品表示法の対象になっていて、消費者庁も、事業者が第三者に依頼・指示する投稿は規制の対象になり得ると案内しています。

お金を払って掲載してもらう場合や、商品提供・招待をして投稿してもらう場合は、広告・PRであることが分かる形にしておく必要があります。「自然に紹介してもらえた風」に寄せるより、最初から表記ルールを握っておくほうが、店側にとっても媒体側にとっても安全です。ここは信用に直結するところなので、あいまいにしないでおきましょう。

掲載して終わりにしない。効果はどこで見るか

掲載して終わりにしないためには、「どこから来たのか」を見ておくことも欠かせません。せっかくお金や手間をかけたのに、どの施策が効いたのか分からないままだと、次の判断ができないんです。

見るポイントは3つ。媒体ごとに合言葉や特典を変えて「どこ経由で来たか」を聞けるようにする。Googleマップの経路検索や電話、予約リンクの反応を見る。掲載後2週間の新規口コミ数を追う。この3つを押さえるだけで、どの媒体が効いたかがかなり見えてきます。

まとめ

カフェの認知を広げるなら、自分のSNSを必死で育てる前に、すでに人を持っている地域メディアや近隣店舗と組むほうが早い。そのうえで、載ってもらう前にGoogleマップを整えて、載ったあとに反応を測る。「誰のメディアに乗るか」から「受け皿」「計測」までをセットで考えると、露出が来店に変わっていきます。

ここも気になるかも

地域メディアに取り上げてもらうには、どうやって連絡すればいい?

ローカルメディアは、公式サイトに「タイアップ・広告掲載」のページを用意していることが多いです。そこから問い合わせるのが一番確実。Instagram運営のアカウントなら、DMで直接送って大丈夫です。「ぜひ紹介してください」とだけ書くより、「こういうコラボ企画ができそうです」と提案ベースで送ったほうが、返信率は上がります。

取材されたあとに気をつけることは?

取材で一気にお客さんが来ると、品質や接客が落ちて「期待外れ」の口コミが残ることがあります。むしろ取材後の数週間は、いつもより丁寧に接客する。Googleマップの口コミ返信もこまめにやる。一過性のブームを定着客に変えられるかどうかは、掲載後の1ヶ月あたりで差がつきます。

コラボする相手はどう選べばいい?

客層が近くて、業種が違う店。これが基本です。同業だと競合になるし、客層がズレすぎると送客しても買われません。「うちのお客さんに『今度ここ行ってみたら』と紹介できる店かどうか」を基準にすると失敗しにくい。あと、相手の店主と人柄が合うかも大事です。長く続く取り組みは、結局その部分で決まります。

「お店の存在をどう知ってもらうか、頭打ちになっている」——そんな状況なら、まず近所のお店との関係づくりや、地域メディアへのアプローチから一緒に整理できます。Googleマップの受け皿づくりも含めて、どこから人を連れてくるかの設計を見直したい方は、現状を聞かせてください。

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