「Instagramは毎日投稿してるのに、体験予約が全然入らない」。パーソナルジムを経営している方から、この相談をもらうことが増えました。フォロワーは少しずつ増えているのに、来店にはつながらない。
じゃあ何が足りないのか。うまくいっているジムの事例を調べてみたら、原因はだいたい同じところにありました。投稿の中身じゃなくて、その先の受け皿でした。
先に結論です。パーソナルジムの体験予約を増やすなら、投稿を頑張る前にプロフィール・リンク先のサイト・Googleマップという「比較される場所」を整える。フォロワーの数より、商圏内の人が予約までたどり着けるかどうかで決まります。
パーソナルジムの集客が難しい理由
難しさの正体は単価です。月数万円から、コースによっては数十万円。この金額を、Instagramの投稿を見ただけで決める人はほぼいません。必ずどこかで「本当にここでいいのか」を確かめる時間が入ります。
総務省の調査だと、Instagramの利用率は全年代で54.8%。20代は82.6%、30代は76.6%です。パーソナルジムの客層とかなり重なりますよね。だから投稿は見られているんです。問題はその先、予約までの導線にあります。
First fitの調査では、パーソナルジムの利用意向が高い人は女性が約60%、男性が約40%でした。目的はダイエットが28.91%、健康維持が26.56%、トレーニング目的が23.44%、運動不足の解消が21.09%。トレーニングそのものより、ダイエットや健康維持のほうが比重は大きいということです。つまり「筋肉を見せる」投稿だけでは、届けたい人の大半には刺さりません。
事例①:Instagramの投稿設計で伸ばしたジム
五反田のパーソナルジム代表が運営する「土田ゆうや ストレスフリー パーソナルトレーナー」は、SNSの総フォロワーが10万人を超えています。コンビニやチェーン店で買える商品を題材にしたダイエット情報の発信で、認知を広げているアカウントです。
全国150店舗以上を展開する「BEYOND」は、店舗の雰囲気やトレーナーの人柄が伝わる発信をしています。採用情報も載せていて、利用者だけでなく求職者にも「どんなジムか」が伝わる作りになっています。
「24/7Workout」は、Instagramと別の導線を組み合わせているのが特徴です。公式サイトにキャンペーンページを用意していて、短い投稿で興味を持った人が、詳しい情報までたどり着ける形になっています。
僕の見方だと、この3つに共通しているのは「フォロワーを増やす投稿」と「予約に近づける投稿」を分けている点です。全部の投稿で売り込もうとすると、逆に嫌われます。認知を広げる投稿、信頼を積む投稿、予約を促す投稿。この役割分担ができているアカウントほど、数字がついてきているように見えます。
事例②:ホームページ・LP経由で予約が増えたジム
Web制作会社のFrontierが手がけた東京都内のパーソナルジムでは、「地域名+パーソナルジム」の検索で自社サイトが上位に出るようになり、そこから申し込む人がほとんどになったそうです。体験に来た人の約半数が入会し、毎週会員数が増加。売上も毎月10万円ずつ上がっている状態が続いているとのことでした。
プレジャークリエーションの事例では、ONEWALK GYMがサイト公開から1ヶ月で「新大久保 パーソナルジム」の検索1位を取っています。同じ会社が手がけた表参道のパーソナルピラティススタジオ「a-pilates」では、月10件以上の申し込みが入るようになり、今ではキャンセル待ちが出る状態だそうです。
どちらも、Instagramの代わりにサイトを使ったわけじゃありません。SNSで興味を持った人が「本当に通えそうか」を確認する場所として、ホームページやLP(1ページで完結する申し込みページ)が機能しています。僕のクライアントでも似たケースがあって、インスタのフォロワーは増えているのに、リンク先のサイトが料金も雰囲気もわからない作りだと、そこで離脱してしまうんです。
Instagramより先に見られていることもある、Googleマップ
見落とされがちなんですが、地域密着のパーソナルジムではGoogleマップの見え方もかなり効きます。
「鹿児島市 パーソナルジム」で探す人は、Instagramより先にGoogleマップを開くことがあります。そこで見られるのは、写真、口コミ、営業時間、そして予約への導線。ここが整っていないと、投稿を頑張っても比較の段階で外れてしまいます。Googleビジネスプロフィール(地図に出る、あの無料の情報枠)は費用ゼロで整えられるので、優先度は高いです。
うまくいっている事例に共通する3つのこと
並べてみると、共通点は3つに整理できます。
1つ目は、投稿の役割を分けていること。認知・信頼・予約のどれを狙った投稿なのかを意識しているアカウントは、フォロワーが少なくても予約につながりやすいです。
2つ目は、受け皿が整っていること。Instagramはあくまで入口です。プロフィールのリンク先が料金も分からない、写真も少ないサイトだと、せっかく興味を持った人がそこで離れます。
3つ目は、口コミやお客様の声を使っていること。スクールカンパニーの調査では、パーソナルジムを選ぶ決め手として「お客様の声」を挙げた人が53%いました。半数を超えています。ビフォーアフターの写真より、実際に通った人の言葉のほうが信頼されることもあるということですね。
予約が増えないときは、どこで落ちているかを分けて見る
「反応が悪い」で止まってしまう方が多いんですが、感覚じゃなくて数字で分けると打ち手が見えてきます。
見るのは4つで十分です。投稿からプロフィールに来た人の数、プロフィールからリンクを押した人の数、体験予約の件数、体験から入会になった割合。投稿は見られているのにプロフィールに来ていないのか、プロフィールは見られているのにリンクが押されていないのか、サイトまで来ているのに予約フォームで止まっているのか。どこで落ちているかで、直す場所はまったく変わります。
見せ方は大事、でも言い方には注意が必要です
ビフォーアフターやお客様の声は信頼につながりやすい反面、扱いを間違えると逆効果になります。
掲載の許可を取らずに使うのは当然NGですし、「必ず痩せる」「誰でもすぐ結果が出る」のような結果を保証する表現も避けたほうが安全です。治療や体質改善のような、医療に踏み込んだ言い方も同じ。実際の変化とお客さんの感想を、事実ベースで丁寧に見せる。遠回りに見えますが、長い目では一番信頼が積み上がります。
鹿児島のパーソナルジムで応用するなら
いきなり全部を整えようとしなくて大丈夫です。まずは今のInstagramのプロフィールとハイライトを見直すところから始めてみてください。
プロフィールに「誰向けのジムか」「場所」「体験予約へのリンク」の3つが入っているか確認する。次にハイライトへ「料金」「体験の流れ」「アクセス」をまとめる。ここまでは費用ゼロでできます。
その次がリンク先のサイトです。料金表、トレーナーの紹介写真、体験の流れ。この3つがあるだけでも離脱はかなり減ります。あわせて「鹿児島市 パーソナルジム」で検索したときに自社が出てくるか、地図にちゃんと載っているかも見ておいてください。
広告はこの後の話です。StockSunが目安として紹介していたKPIでは、体験予約1件あたりのCPA(1人あたりの獲得コスト)が1〜3万円、地域密着型ならフォロワー500〜2,000人でも十分という水準でした。あくまで運用の設計目安であって業界の平均値ではありませんが、フォロワー数を追う前に受け皿を整えるという順番の参考にはなると思います。
まとめ
パーソナルジムの集客で効くのは、結局「Instagramと受け皿の連携」です。投稿だけ頑張っても、リンク先が整っていなければ予約にはつながりません。まずは自分のプロフィールとリンク先を、初めて見る人の目線で開いてみてください。
インスタには力を入れているのに体験予約が伸びない、という状況なら、一度プロフィールと今のホームページを見せてください。どこで見込み客が離れているか、一緒に確認します。
ここも気になるかも
Instagram広告とホームページ、どっちを先に整えるべき?
ホームページやLPが先です。広告やインスタ運用で人を集めても、受け皿に料金や体験の流れが載っていないと、興味を持った人がそこで離脱します。今の受け皿を見直してから集客に力を入れる。この順番がおすすめです。
フォロワーが少なくても体験予約は増えますか?
増える可能性はあります。大事なのは人数より、商圏内に住んでいる見込み客に届いているかどうかです。地域名を入れた投稿やハッシュタグを使うと、フォロワーが少なくても近隣の人に見つけてもらいやすくなります。
ビフォーアフターの写真は必ず載せるべき?
信頼につながりやすいので載せたほうがいいですが、必ず本人の掲載許可を取ってください。それと「必ず痩せる」のような結果を保証する表現は避けて、実際の記録や感想ベースで紹介するのが安全です。